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ピアノソナタ『悲愴』


ベートーヴェンのピアノソナタは、ピアノを弾く人は必ずといっていいくらいに、レパートリーとして弾きますが、、 ピアノ曲鑑賞としても誰でも知っている名曲がたくさんあります。

ベートーヴェンのピアノソナタは全部で32曲あり、その中で題名のついている作品はこの『悲愴』や、『月光』『熱情』 (この3作品はとくに有名) そして、『ワルトシュタイン』『テンペスト』『田園』『告別』『ハンマークラヴィーア』くらいでしょうか・・・。

これらはベートーヴェンがつけた題ではないのですが、題名の付いている作品はどれも名曲になっていますが、 あとOp.109やOp.110といった後期の作品も、立派な作品ですのでぜひ聴いておきたいですね。

この『悲愴』は、一楽章の重々しい序奏や、インパクトのある第一主題、それに2楽章の一度聴いたら忘れられない美しいメロディー、 緊張感のある3楽章と、ピアノをやっていると誰しもが弾いてみたくなるだろうなぁ…と思える要素がたくさん詰まっている作品です。



ピアノソナタ『悲愴』Op.13 作曲:ベートーヴェン

第一楽章 Grave 4/4−Allegro di molto e con brio 2/2 ハ短調
序奏付のソナタ形式で書かれています。ソナタとしては異例で、ハイドンやモーツァルトの交響曲で見られる形式です。
第1音からGraveで重々しく、序奏が始まります。減7和音が多く使われ、やりきれないような悲愴感をかもしだしています。
最後にフェルマータで音楽は一度止まり、次のアレグロの主部へと入ります。
左手のオクターブのトレモロの上に、右手が和音で第一主題を奏していますが、 3小節目のシンコペーションのリズムがとても効果的にインパクトを持たせています。
このパターンを繰り返し、左手のトレモロが消え、しばらくするとまた左手のトレモロが始まり、 第一主題が発展した形をとって、第二主題へと移ります。
第二主題は通常ならばハ短調の平行調の変ホ長調を採るべきなのですが、ここでは変ホ短調が選ばれて、悲愴感が持続します。
変ニ長調やヘ短調など転調を繰り返して発展して、第一主題が現われて音楽は一度閉じます。
そして展開部に入りますが、その前に序奏部分がト短調で回想され、展開部は第一主題を素材にして始まりますが、 ホ短調という意外な調で始まります。
形通りに展開部が終わると再現部が第一主題で戻ってきますが、第二主題はヘ短調で再現されています。
最後のコーダは第一主題が戻ってきて終わりますが、その前に序奏部分の回想をまた聞かせます。

第二楽章 Adagio cantabile 2/4 変イ長調
このメロディーは口ずさみたくなるような甘い美しい旋律です。
8小節の主題の内声の伴奏が変化しながら発展して、この主題が3回戻ってきます。
その間に副主題が挿入されており、曲に緊張感を与えています。

第三楽章 Allegro 2/2 ハ短調
ロンド形式(主題を何度も繰り返す)で書かれています。
この楽章は悲愴的な要素はなく、悲劇的で優雅な曲想です。
何度も繰り返しでてくる主題は、いろんな顔の表情を持ち、ある時は、軽く微笑んでいたり、 ある時は考え込んでいたり、またある時は哀愁のある歌だったり…。
最後は第一主題使った、力強く緊張感のあるコーダですが、瞬間の盛り上がりで、曲は終わります。




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Bernard Roberts(バーナード・ロバーツ)

Bernard Robertsは、 チャップリンのようなお茶目な方ですが、ロンドン王立音楽大学の教授で、 ヨーロッパではベートーヴェン弾きとしてでも、とても有名な先生です。
”Dartington International Summer School”やドイツでの”Mattheiser-Sommer-Akademie”等、 いろんなマスタークラスも受け持っているようで、多忙な方です。

はっきり言ってしまうと、彼の演奏は”へた”です。
日本人の感覚からいくと、CDなのに音のミスが多くて、信じられないと思うかもしれません。
ですが、”へた”というのは、ただミスがあるというだけで、本当は”すばらしい”ベートーヴェンを聴かせてくれます。
演奏はとても納得のいく内容で、彼の音は全く濁りのない澄んだ響きですし、 音楽は”生き生き”としていて、聴いているとベートーヴェンの曲の魅力が伝わります。
ヨーロッパでは各誌から絶賛をあびています。

ロバーツのCD紹介。左から

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