100選♪これだけは聴いておこう♪ クラシック音楽



ヴォカリーズ


「ヴォカリーズ」とは歌の練習の際に歌詞の代わりに[a]、[u]などの母音で歌う唱法で、 ラフマニノフはこれを使って曲を書き、それをそのまま題名にしました。
とてもせつなくて温かい旋律の曲です。

オリジナルは声楽曲なのですが、魅力的なメロディーにひかれたのでしょうか、 とても多くの楽器で演奏されています。
オーケストラ用に編曲されたもの、ヴァイオリン、チェロ、ピアノ、フルート、トランペットなど吹奏楽ものもあるそうです・・・。

「歌曲集」には14曲ありますが、この14番目の作品だけが歌詞のないヴォカリーズです。
どうしてヴォカリーズなのかと、初演時の歌手のアントニア・ネシュダノヴァがラフマニノフに質問したら、 彼は、「言葉がなくても、声や音楽性で感情や雰囲気を表現できるだろう・・・」と説明したそうです。
ちょっときざですね・・・。
でも本当にこの作品には歌詞は必要なくて、メロディーラインの美しさだけで十分なように思います。



ヴォカリーズ (『14の歌曲』Op,34〜) 作曲:ラフマニノフ

Aaaaaa……     あああああ……

歌詞はこれだけです。

前奏は和音2つだけで、すぐにメロディーが入ります。なんともせつないメロディーですが、静かにやわらかく語っています。 すぐにこの曲の魅力に引き込まれます。
始めの部分は繰り返されます。その時に、器楽奏者の場合はよく1オクターブ高さを変えて演奏したりという工夫もされています。

中間部分はちょっと苦しい気持ちになるような音楽で始まりますが、dim.しながら音を引っ張って、Pで高音へと持っていくところは、 ゾクゾクとするようなうまさを見せています。
それから曲は徐々に盛り上がっていきますが、最高潮まではいかずに静まっていき、最後のコーダへと入っていきます。

コーダは、最初に聞いたメロディーが伴奏で奏でられ、空想の世界へ向かいます。
ここで最高音へと昇っていく過程が一番の聴きところです。




オススメCD

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題名
演奏者
曲目
視聴
備考
オンブラ・マイ・フ
キャスリーン・バトルオンブラ・マイ・フ
マルティーニ:愛のよろこび
シューベルト:夜と夢他
 一時ブームになったあのCDです。
彼女の美声から聴くヴォカリーズは最高でしびれます。難点をいうなら、リピートを省略していることですが、 これはもっと聴きたいと思わせる作戦でしょうか?
キャスリーン・バトルオンブラ・マイ・フから黒人霊歌まで全21曲
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カーネギーホールでのリサイタルを収めたライヴ盤
13人ヴォカリーズ
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ヴォカリーズばかりを集めたCD。聞き比べもクラシック音楽の楽しいとこなので、 いろんな演奏家のヴォカリーズを味わってみれていいです。
ラフマニノフ指揮の演奏も入っていています。
マイスキー小品16曲
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収容所にいたことのあるマイスキーの演奏からあふれる音楽は訴えるものを感じます。 個人的には歌で聴くほうが好きですが、楽器の持つ性質というものが音楽から感じられます。
ヨーヨー・マ無伴奏チェロ組曲第6番ニ長調BWV1012~サラバンド他   マイスキーと並ぶ実力派のチェリストです。
ヨーヨー・マのCDはこちらでたくさん紹介しています。
ヨーヨー・マ
ボビー・マクファーリン
ヴォカリーズ
熊蜂の飛行
コヨーテ他
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ジャズシンガーと競演した話題作です。
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セルゲイ・ラフマニノフ(1873〜1943)

ラフマニノフはノーヴゴロド県という、ロシアの片田舎に生まれました。
彼の家系は、貴族でしたが、没落の一途をたどっており、若くして両親は離婚しています。
彼はズヴェーレフの音楽塾やモスクワ音楽院で学び、厳しい生活規律のなかで、タネーエフ(チャイコフスキーの弟子)や アレンスキーに師事しました。
同級生には、アレクサンドル・スクリャービン(1871〜1915)もいました。
後に作曲者として活動を始めますが、1917年にロシア革命が起こるとアメリカに逃亡し、 ピアニストになってアメリカを中心に絶大な人気を博し、ロサンゼルス郊外のビヴァリー・ヒルズで亡くなっています。











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