100選♪これだけは聴いておこう♪ クラシック音楽



ヴァイオリン協奏曲ニ長調op.35/チャイコフスキー


協奏曲はたくさんありますが、このチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲(チャイコンとよく言ってますが)は、 たくさんある中でまずは聴いておきたい1曲でしょう。
スケールが大きく、華やかなこの曲は感動ものです。聴き手を巧みに音楽に引き込んで離さない、 深い味わいのある作品で、聴きての胸を打ち、しばらく余韻がさめないほどの印象のある曲です。

この曲は最初、ロシアの名ヴァイオリニストのアウアーに献呈され、初演もアウアーの予定だったのですが、 出来上がった作品を見て、アウアーに「演奏不能な曲」と初演も拒否されてしまいます。
その後ウイーンで別のソリストで初演演奏されましたが、この時も悪評を受けましたが、 その時に演奏したヴァイオリニストのブロツキーがいろんな土地で繰り返し演奏し続けた努力によって、 この曲の評価が急速に高まります。
当時では受け入れてもらえなかったという名曲はめずらしくはなく、よくあるようです。

映画 『北京ヴァイオリン』では、このチャイコンの3楽章がクライマックスで演奏され感動的です。
この映画は才能ある息子をヴァイオリニストにするために、お父さんがコツコツとお金を貯めて息子と北京へ行き、 息子の成功をひたすら願うお父さんと息子の親子の温かさを描いた作品です。
楽器を演奏する作品は、役の為に楽器を少し習得するだけでまねが多く、演奏に違和感を感じますが、 この映画の息子役の子は本当にヴァイリンが弾けます。それもかなりの腕前です。
映画の中の音は別の人の演奏で、彼はそれに合わせて弾いているのですが、 彼の熱い演奏は物語を超えて感動できます。



ヴァイオリン協奏曲ニ長調op.35 作曲:チャイコフスキー

第1楽章    Listen
いかにもロシアっぽいたっぷりとした旋律で序奏が始まります。(オーケストラのみ)

その後、ヴァイオリンの独奏で、なにやら意味ありげな問いかけのような主題が始まります。
この部分を聴くだけですぐにチャイコフスキーの音楽に吸い込まれてしまう、不思議な力の感じる主題です。
第1主題はおおらかでロマンティックな魅力あるメロディーです。 第1主題は盛り上がり、その後ヴァイオリンのソロで静かでしみじみした美しい旋律を奏でます。これが第二主題。

トランペットの華やかな雰囲気で展開部へと入っていき、ヴァイオリンの技を披露するような、 巧みなフレーズを展開させ華やかに進み、カデンツァへと入っていきます。

カデンツァの終わりと同時に、回想のようにフルートで静かに主題が再現され始めます。
あまりの曲想の変化のうまさに背筋がゾクッとくる一瞬です。

曲全体の終わりを思わせるようなクライマックスがきて、盛大で華やかに力強く終わります。

第2楽章      Listen
一楽章の熱を冷めさせるように、静かで悲しげに始まります。
ヴァイオリンは弱音器をつけて演奏します。
中間部分はやや明るくなりますが、また始めに戻りコーダーへと入り、そのままアタッカ(切れ目なし)に、 3楽章へと入っていきます。

第3楽章    Listen
2楽章の静かな音楽からオーケストラの「ジャン!」という一声で3楽章が始まります。
オーケストラの序奏のあと、ヴァイオリンソロでバレエ音楽の「くるみ割り人形」の中の【トレパック】の ような、躍動感のある第T主題です。
やがて少しテンポが落ち、ロシア風の舞曲っぽい、第二主題が始まります。
第二主題も次第に活気をおび、これらを繰り返して華やかに進み、クライマックスは、興奮と熱狂で閉じます。

クリックするとメディアプレーヤーで 視聴できます。演奏:アイザック・スターン



CD紹介

題名
演奏者
曲目
一言
チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲 アイザック・スターンチャイコフスキー&シベリウス :ヴァイオリン協奏曲 誰が聴いても納得できる一枚じゃなかいと思います
チョン・キョンファチャイコフスキー&メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲彼女の 演奏は情熱的で感動です
チョン・キョンファチャイコフスキー:VN協奏曲彼女のデビュー版¥1000という安さ
北京ヴァイオリン・サントラ
李伝韻映画の中で演奏された曲 チアン先生の部屋で弾いた曲、コンサートで弾いた曲・・・すべてが映画の中の温かい色と共によみがえります。
Listen
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ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840〜1893)


チャイコフスキーは1840年5月7日にロシアのウラル地方のヴォトキンスクで鉱山技師の子に生まれました。
その後一家はペテルブルクに転居し、彼はペテルブルクの法律学校で学びます。
1859年〜法務省の事務官として働きはじめましたが、1863年辞職してペテルブルク音楽院に入学し、 卒業後、モスクワ音楽院教授に就任します。

1977年にロシアの富豪の未亡人フォン・メック夫人と出会い、 彼女からの経済的援助を得て作曲に専心することができ、1978年にモスクワ音楽院教授を辞任しました。
ある日、チャイコフスキーはアントニーナという女性から突然のラブレターが届き、不幸な結婚生活が始まります。 同性愛者だという彼は、世間からの目を逃れるためにも彼女と結婚しますが、 結婚生活に耐えられず、家を飛び出し旅に出て、不幸な結婚生活から逃れます。
14年間援助してもらっていたフォン・メック夫人から援助打ち切りの手紙が届き、彼女の援助は ”金持ちの未亡人の単なる気晴らしのためだった”という疑惑に駆られ、精神的に深く傷つきます。

彼の突然の死にはいろいろな説がありますが、生水を飲んだことが原因で1893年11月6日にコレラで没したというのが、 有力とされています。


映画『チャイコフスキー』

恋と音楽に生きた世界的作曲家・チャイコフスキーの半生を、壮大なスケールで描かれています。
サン・セバスチャン国際映画祭主演男優賞受賞作。











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