100選♪これだけは聴いておこう♪ クラシック音楽



動物の謝肉祭


クラシック音楽というと、敷居が高くて、とか難しくて・・・って思っていらっしゃる方には ぜひこの曲を聴いて頂いて、クラシックにもこんなにユニークな作品があるんだ〜ってことを知って欲しいなぁと思います。

作曲者のサン=サーンスは、友達が主催する謝肉祭の音楽会のために、当時の人があっと驚くような滑稽な曲を作りました。
日本でもよくファミリーコンサートと言ったような鑑賞会で、この曲はよく演奏されるのですが、 それは、この曲がとても楽しいというのもあるのですが、実は非常にユーモアにあふれ、遊び心と皮肉がたくさん隠れているのです。
当時から今もず〜っと、聞く人みんなを楽しませてくれましたが、 この曲を出版するにあたっては、サン=サーンス自身かなりしぶっていたようです。
結局遊びで作ったこの作品が、皮肉なことに彼の代表作のようになってしまいました。



動物の謝肉祭 作曲:サン=サーンス

第1曲 序奏とライオンの行進 Listen
序奏の後、ピアノのファンファーレでライオンの行進が始まります。
動物園へ行くとまずはライオンの見物から始まるようです。なんといってもライオンは百獣の王ですから・・・。
行進の途中で、王様のほえる声を思わせる響きがチェロやダブルベースであわられます。

第2曲 めんどりとおんどり Listen
ピアノと弦楽器でおんどりのテーマ、続いてクラリネットでめんどりのテーマがあらわれます。
にわとりの鳴き声が巧みにあらわれています。

第3曲 野性のラバ Listen
足の速いことで有名なラバ(チベットの野生のロバ)の姿を描き出しています。
二人のピアニストの20本の指が、信じられないほどの速さで鍵盤の上をかけめぐって、 あたかもラバが駆けめぐっているかのように聞こえます。

第4曲 かめ Listen
このあたりからひそかにサン=サーンスのいたずらが始まります。
この曲は日本の運動会のかけっこの音楽としてもお馴染みのオッフェンバックの「天国と地獄」からカンカンの旋律を借りてきて、 弦楽器にユニゾンで極端に遅く演奏させ、またピアノを単調な三連符を連続させています。 最も速い曲を遅く演奏して、のろまなかめを表現したようです。なんとなくこの曲を馬鹿にしているような、皮肉っているような・・・・。

第5曲 ぞう Listen
ここでもかめと同じようなトリックを使っています。
ベルリオーズの、妖精の動きを思わせるデリケートな「妖精のワルツ」と、 メンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」のスケルツォからの旋律を使って、ぞうがワルツを踊ってるような軽やかな曲を書きました。
ただそれを大きなコントラバスに演奏させることで、滑稽で不器用な効果を出させています。
軽やかに弾こうと四苦八苦している奏者を思い起こすとなんとなくこれはバス奏者を皮肉っているようにも聞こえますが・・・。

第6曲 カンガルー Listen
2台のピアノで弾く装飾音のついたメロディーは、ぶかっこうに飛び跳ねるカンガルーの動きを効果的に描写しています。

第7曲 水族館 Listen
ガラス張りの水槽の水が揺れ動く様子を2台のピアノが描き、 水の中を気持ちよく泳ぐ魚をフルートとヴァイオリンで美しく表現しています。

第8曲 耳の長い登場人物 Listen
耳の長い登場人物とはロバのことと言われていますが、何か皮肉が込められているような題名です。2台のヴァイオリンの掛け合いで、 なんとも大胆かつ不思議な曲で、ロバの鳴き声、あるいは発作的に飛び跳ねる様子を描いているのでしょう。

第9曲 森の奥に住むかっこう Listen
ピアノが静かな森を表し、その上でクラリネットがカッコウの鳴き声を歌います。

第10曲 鳥かご Listen
大きな鳥かごの中でたくさんの鳥が飛び交います。フルートが中心で、弦のトレモロが鳥の羽ばたきを表します。

第11曲 ピアニスト Listen
たしかに人間も動物の一種ですが、わざわざピアニストとご指名です。チェルニーの練習曲を弾いてばかりいる無能なピアニストを 皮肉った曲なのでしょう。楽譜には「つとめてへたに演奏すること」という珍しい指示が書かれています。

第12曲 化石 Listen
過去の作曲家の作品の一部がいくつか出てきて、これが「音楽の化石」というわけです。
最初に木琴が弾く旋律は自作の交響詩「死の舞踏」の骸骨のメロディーで、その後、「きらきら星」や「月の光」、 ロッシー二のオペラ「セビリャの理髪師」の一節など聞きあきた旋律を音楽の化石と皮肉っているのでしょう。

第13曲 白鳥 Listen
この組曲中でもっとも有名な曲で、チェロの独奏曲としてもよく知られています。
ピアノが作り出す水の上を優雅に泳ぐ白鳥をチェロであわらしています。

第14曲 フィナーレ Listen
今までに登場した動物達が次々現れます。野生のラバ、めんどりとおんどり、カンガルー、 そして最後にあの「耳の長い人物」の高笑いが6回聞え、賑やかなフィナーレで曲が終わります。


クリックするとメディアプレーヤーで 視聴できます。視聴:デュトワ/モントリオール交響楽団



CD&ビデオ紹介

クリックするとメディアプレーヤーで 視聴できます。
題名
演奏者
曲目
視聴
備考
小澤征爾動物の謝肉祭
「ピーターと狼」
「青少年のための管弦楽入門」ブリテン
 
ナレーション付で楽しく聴けます
デュトワ
モントリオール交響楽団
動物の謝肉祭
交響曲第3番
交響詩「死の舞踏」op.40
解説と同じ ソリストの技術はとてもすばらしいです。
プロコフィエフ:ピーターと狼
バーンスタイン
ニューヨーク・フィルハーモニック
動物の謝肉祭
ピーターと狼
「青少年のための管弦楽入門」ブリテン
Listen
若手のソリストがちょっと未熟です。英語のナレーション付なので英語の勉強になります。
フィードラー
ボストン・ポップス・オーケストラ
動物の謝肉祭
「青少年のための管弦楽入門」
ピーターと狼
Listen
ナレーションで英語の勉強にもなり、演奏もすばらしいです。
アルゲリッチ, クレーメル
ツィンマーマン, マイスキー
ヘルトナーゲル, ブルンナー,
グラフェナウアー
動物の謝肉祭他
Listen
すごい個性派のメンバーによる演奏
デュ・プレ白鳥
チェロ協奏曲他
Listen
動物の謝肉祭の「白鳥」のみ
デュ・プレは28歳で多発性硬化症という難病に罹り、長い闘病生活の末42歳でこの世を去った天才チェリストです。 デュ・プレの解説はこちら
マイスキー白鳥
スタンダードな曲
Listen
「白鳥」のみ。心にしみます。
マイスキーのCDはこちらでたくさん紹介しています。
―ビデオ―
折り紙アニメーション「動物の謝肉祭」
シャルル・デュトワ指揮「動物の謝肉祭」
 
幻想的な折り紙アニメーションが画面に登場するイメージ・アニメ。
*商品購入は写真(またはタイトル)をクリックして下さい。購入に関してはこちら
*この曲のCDはクラシック・ライブラリーでも 紹介しています。



『動物の謝肉祭』楽譜

全音楽譜出版社の『ピアノ絵本館』から出ている動物の謝肉祭の楽譜は、 オリジナルの連弾譜とは違って、やさしく編曲されています。
曲はバイエル後半〜ブルグミュラー程度で弾けるくらいにやさしく編曲され、 本の中はおもしろい絵がついていて、物語も書かれていて、楽譜+絵本が一緒になっています。
見て、読んで、弾いて、3拍子の楽しみ方ができるので、ぜひシリーズでそろえてみられてはいかがでしょうか?






♪ピアノ絵本館シリーズ♪





カミーユ・サン=サーンス (1835〜1921)

フランス近代の父とも言えるサン=サーンスはフランスのパリで生まれました。幼少より叔母にピアノを習い、 10歳でピアニストとして正式にデビューし、 その後パリ音楽院に入学して作曲とオルガンを学びました。
そしてパリのマドレーヌ教会のオルガニストを務めます。 サン=サーンスは、生涯の内3歳半から86歳迄作曲活動を続け膨大なる作品を残しました。
















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