100選♪これだけは聴いておこう♪ クラシック音楽 |
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平凡な生活の中ではどうしても見過ごしてしまいがちですが、時々夜歩いている時に空を見上げたら、
とても美しい月に出会う時ってありませんか?
とても神秘的な世界だったりしてとても感動的です。その世界を音楽にしたのが、この『月夜』です。
本当の夜の美しさ、憧れ、そして素晴らしさを教えてくれるような、ひそやかで繊細な味わいのある作品です。
《リーダークライス》は全部で12曲あり、すべてアイヒェンドルフによる詩で作曲されています。
12曲の中でもこの『月夜』は一番の吊曲ですが、
それだけでなく、シューマンの歌曲の中でも最高傑作の1つと言われているくらいすばらしく、一度聴いたらあまりの美しさに、
しばらくボーっとしてしまうくらい、魅了されてしまいます。
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月夜 『リーダークライス』Op.39より 作曲:シューマン 作詞:アイヒェンドルフ
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Es war, als hätt' der Himmel
Die Erde still geküßt,
Daß sie im Blütenschimmer
Von ihm nur träumen müßt |
それは、まるで空がそっと、
大地に口づけしたかのようだった。
花がほのかに輝く中で、大地が
空のことだけしか夢見ずにはいられないというほどに。
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Die Lufte ging durch die Felder,
Die Ähren wogten sacht,
Es rauschten leis die Wälder,
So sternklar war die Nacht |
そよ風が野原を渡り、
やわらかに穂が揺れ、
森はひそかにざわめいていた、
星のきらめく夜だった。
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Und meine Seele spannte
Weit ihre Flügel aus,
Flog durch die stillen Lande,
Als flöge sie nach Haus. |
そして僕の魂は
大きく翼を広げ、
静かな大地の上を飛び立っていった、
まるで我が家へ帰って行くかのように。
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第一音目から月の輝きを感じるようなインパクトのあるピアノの音で、すぐに月夜の世界へと吸い込まれていきます。
第一節の詩では、「天が大地に口づけしたような夜《「大地は天だけを夢見ているようだ《と、天と大地(宇宙)が歌われます。
第二節では、地上が歌われています。
そして第三節では、「私の魂は故郷へと飛び立っていった《と、私(作者自身)が登場します。
風がそよぎ、森がひそかにざわめく、星がきらめく静かな夜、
肉体から解き放たれた魂だけが、懐かしい故郷へ帰っていったと歌っています。
帰りたくても帰れない故郷へ・・・。
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シューマンは1810年6月8日に、ドイツのツビッカウ という町に生まれています。
シューマンが15歳の時、姉が自殺。その翌年、今度は父が精神に異常をきたし他界するという事件が起きています。
彼はライプツィヒ大学の法科へ入学しましたが、文学と音楽への愛情はますます深まるばかりで、
正式な音楽教育をうけるようになりました。
この時に出会ったのが、習っていたピアノ教師の娘で、当時9歳にもかかわらず天才ピアニストとし注目されていたクララでした。
クララとシューマンは、のちにクララの父の大反対を押し切って結ばれることになります。
シューマンがピアニストをあきらめ、作曲家に専念することに決めたのは、無理な練習がたたって右手の指をいため、
致命的な障害を負ったからです。
晩年、彼もまた、精神に異常をきたし、彼はライン河に投身自殺をはかり、この時は一命をとりとめたものの、
その2年後の1856年、シューマンは病院でこの世を去っています。享年46歳。
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