100選♪これだけは聴いておこう♪ クラシック音楽



ヴァイオリン協奏曲集《四季》


標題音楽の傑作、ヴィヴァルディの《ヴァイオリン協奏曲集【四季】》は、
春の到来の喜びを表現している『春』
イタリアのけだるく暑い『夏』
収穫祭の『秋』
雪の寒さに震える『冬』
の4曲から出来ています。
4つの協奏曲すべてに、曲の雰囲気と内容を表すソネット(14行詩)がついていて、 詩に忠実に音楽がつけられており、 どんな人でも四季折々の情緒を詩と音楽から体験する事ができます。



La PRIMAVERA 「春」
ソネット
 
第1楽章AGiunt' e'la Primavera e Festosetti春がやって来た。楽しげに
 BLa Salutan gl' Augei con lieto canto小鳥は幸せに満ちた歌を歌い、喜んで春を迎える
 CEi fonti allo Spirar de' Zeffiretti泉はそよ風に誘われて
  Con dolce mormorio Scorrono intanto:甘いせせらぎの音をたてる。そのうちに
 DVengon' coprendo l' aer di nero amanto空は黒雲に包まれ、稲妻がとどろき
  E Lampi, e tuoni ad annuntiar la eletti雷鳴が春の到来を告げる
 EIndi tacendo questi, gl' Augelletti;やがて嵐は去り、小鳥が再び
  Tornan'di nuovo al lor Canoro incanto:喜びの歌声をあげる
第2楽章FE quindi Sur fiorito ameno prato花が咲きほこる牧場では
  Al caro mormorio di fronde e piante木の葉がやさしいざわめきを子守歌に
  Dorme' l Caprar col fido can' a lato.羊飼いが犬をわきにはべらせ、まどろんでいる
第3楽章GDi pastoral Zampogna al Suon festante妖精も牧童達も
  Danzan Ninfe e Pastor nel tetto amatoすばらしく晴れわたった春の日ざしの中で
  Di primavera all' apparir brillante バグパイプに合わせて踊りだす


第1楽章
Listen
活気あふれるアレグロのテンポで始まり、春の到来は弦楽合奏とハープシコードで奏でられます。 生き生きとした調子とリズムは強と弱が交互に現われますが、 全く重さを感じさせません。この部分ソネットAはこれですぐに終わります。(約30秒)

つづいて3台のヴァイオリンによるトリルでBの鳥の歌へ移ります。(40秒)

始めのメロディーが少し聞こえそのあとに、やさしい小川のせせらぎが聞こえてきます。C(30秒)

最初のメロディーを低く移調して再現されて、Dの嵐の部分へと入っていきます。
この部分は速く、とげとげしさを感じさせるような上行音階と雷鳴のような低音のトレモロで、うまく表現しています。(40秒)

この嵐はすぐに去り、Aの音楽が短調で回想されて、鳥のさえずりがふたたび聞こえてきます。E(25秒) 最後にAが演奏され、アレグロのこの楽章は終わります。
第2楽章
Listen
この部分はFで、きわめて遅く静かに演奏されます。 ヴァイオリンが受け持つ高音域のメロディーは「まどろむ羊飼い」、これに対応する低音域のヴィオラはそのわきに控えた「吠える犬」 で、その間を受け持つヴァイオリンは、木の葉のようなざわめきです。このざわめきは一楽章の小川のせせらぎと似ています。
第3楽章
Listen
Gに移り、「田園舞曲」へと変わります。
持続低音は、いなかのバグパイプを表し、そこに妖精が踊っている姿がうかがえます。
最後近くに短調になり、独奏者が物想いに沈み、ひとり旋律を奏でます。
クリックするとメディアプレーヤーで 視聴できます。視聴:イ・ムジチ合奏団



CD&DVD紹介

題名
演奏者
曲目
備考
イ・ムジチ合奏団四季全曲 よく研究され尽くした演奏です。
―DVD―
イ・ムジチ合奏団四季全曲 ヴィヴァルディ生誕の地、ヴェネツィアの美しい風景をバックに、イ・ムジチ合奏団とアゴスティーニのヴァイオリンによる《四季》 が流れるBGV。サン・マルコ寺院をはじめ、中世からルネサンスにかけて創出された、様々な建造物や美術品が撮影されています。
―DVD―
カンマームジークザール落成記念コンサート ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集「四季」
カラヤン落成記念コンサート落成記念コンサートの模様を収めたDVD
*商品購入は写真(またはタイトル)をクリックして下さい。購入に関してはこちら
*この曲のCDはクラシック・ライブラリーでも 紹介しています。



アントニオ・ヴィヴァルディ(1678〜1741)


バロック時代の作曲家の1人であるヴィヴァルディは、イタリアのヴェネツィアに生まれ、父親からヴァイオリンの手ほどきを受けました。
15歳で教会に入り、25歳で司祭となりますが、彼が聖職者の道を選んだのは、音楽家として活動するのに、 教会に所属していた方が都合が良いと考えたからのようです。
髪の毛が赤かったことから「赤毛の司祭」と呼ばれ、親しまれていました。
やがて彼は、身寄りのない女の子たちを育てるピエタ養育院のヴァイオリン教師になり、楽団を作って熱心に指導しました。
当時ヴェネツィアは音楽が盛んでしたが、中でもヴィヴァルディの率いるピエタ養育院のオーケストラの評判は高かったと言います。
そんな彼女たちのために、彼はたくさんの曲を作曲しました。
死の直後までピエタ養育院との関係は続き、国際的にも名声を博しヨーロッパ各地で精力的に演奏活動を繰り返したにもかかわらず、 彼はどこで亡くなったのか長く不明のままで、1741年にウィーンの貧民墓地に埋葬されたことが明らかになったのは、 その死後、約2世紀を経た1938年のことでした。
なぜ聖職者である彼が貧民墓地に葬られなければならなかったのか、いまだに謎のままです。











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