100選♪これだけは聴いておこう♪ クラシック音楽



幻想交響曲


みなさんは、失恋したらどうしますか?
この『幻想交響曲』を作曲したベルリオーズは、有名なシェークスピア女優、ハリエット・スミソンに恋して告白しますが、 当時無名だったベルリオーズは振られてしまいます。
そこで奇妙な内容のこんなユニークな曲を作曲しました。

曲の内容は、『病的な感性と想像力を持った若い音楽家(ベルリオーズ自身)が、苦しい恋に絶望してアヘン自殺を図りますが、 死に切れず、奇妙は幻想的な夢を見ます。
彼は夢の中で恋人を殺してしまい、その罪により死刑を宣告されて断頭台へと運ばれます。』と、こういうもので、 最後には自分の葬式までやってしまいます。

音楽の世界では前例のない奇想天外なもので、それも1830年という時代でこういう音楽が作られたというから驚きです。

ベルリオーズは後にこの女優と結婚できますが、結婚生活は幸福なものではなかったようです。



幻想交響曲 Op.14 作曲:ベルリオーズ

第一楽章 「夢―情熱」    Listen
恋人に逢うまでの不安や憧れ、嫉妬をゆっくりとしたラルゴで表現したり、時には激しく興奮したり、 さまざまな感情があらわれます。 
恋人の主題(この作品の中で何度も繰り返される恋人を表すメロディー)が甘く奏されると、バスが心臓の鼓動を刻み、音楽は激しく燃え上がっていきます。
ベルリオーズ独特の管弦楽法で、情熱と不安、嫉妬といった感情が表現され、クライマックスに達したところで プツンと切れて、また恋人の主題がでてきます。
最後は静かに祈るように終わります。

第二楽章 「舞踏会」    Listen
主人公(若い音楽家)は舞踏会に・・・。そこでも恋人の幻影は出てきます。 恋人は人々とワルツを踊っています。 
曲はワルツで書かれており、後半に木管で恋人の主題が顔を出しますが、それもすぐに激しくかき消されてしまいます。 

第三楽章 「野の風景」    Listen
夏の夕方、遠くで雷雨を聞きながら、彼は野をさまよっています。どこへ行っても、恋する気持ちはかわりません。
イングリッシュホルンとオーボエが羊飼いの笛を鳴らし、夕闇が迫る頃、恋人への思いも激しくなっていきます。
最後は、4人の奏者がティンパニーを不気味に奏する中、曲は淋しく消えていきます。

第四楽章 「断頭台への行進」    Listen
若い音楽家は失恋し、アヘンを飲みます。でも死ぬほどの量でもないために、奇妙な夢にうなされ、 夢の中で恋人を殺してしまいます。
その罪によって死刑を宣告されて断頭台へと引かれていく、騒々しくて陰気な感じの行進曲です。
最後に恋人の主題が一瞬あらわれますが、死刑執行ですぐさま断ち切られます。

第五楽章 「サバトの夜の夢」    Listen
彼の葬式のために、魔女や妖怪たちが大勢集まって踊り、彼はその中でたちすくんでいます。
恋人の主題は生前の高貴でやさしいものではなくなり、下品で醜くく変わり果てています。(クラリネット)
グレゴリオ聖歌の≪怒りの日≫が登場しますが、葬儀の鐘(舞台裏で鳴らされることが多い)や、チューブ・ベルが 響く中で、死者を弔う荘重な主題が、ファゴットとチューバで重々しく奏され、怪奇な響きと狂乱の中で盛り上がって終わります。


*これらの標題、曲頭にある曲の由来、楽章ごとの説明はベルリオーズ自身によって書かれています。

クリックするとメディアプレーヤーで 視聴できます。視聴:チョン・ミュンフン/パリ・バスティーユ管弦楽団



CD&DVD紹介

題名
演奏者
曲目
備考
ベルリオーズ:幻想交響曲
デュトワ
モントリオール交響楽団
幻想交響曲
序曲「海賊」
まとまった演奏。オススメです
ミュンシュ
ボストン管弦楽団
幻想交響曲輸入版。
パレー
デトロイト交響楽団
幻想交響曲
劇的物語「ファウストの劫罰」
歌劇「トロイアの人々」他
収録曲も魅力的な一枚。
ベルリオーズ:幻想交響曲

ハンガリー放送管弦楽団
幻想交響曲安さを求めるならこれ。名演です
チョン・ミュンフン
パリ・バスティーユ管弦楽団
幻想交響曲
序曲*ベンヴェヌート=チェルリーニ
ローマの謝肉祭*序曲
絶賛されている一枚です
チョン・ミュンフン
パリ・バスティーユ管弦楽団
幻想交響曲他↑のCDの演奏家と同じです。輸入版でもよければ安くてオススメ
―DVD―
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団ベルリオーズ《幻想交響曲》
モーツァルト《フルート協奏曲第2番ニ短調》
DVD
イスタンブールのイレーネ教会で開催された新世紀最初のベルリン・フィル・コンサートを映像化
―DVD―
オルケストル・レボリュショネル・エ・ロマンティク「幻想交響曲」 DVD
その曲が作られた時代の楽器で再現するためガーディナーが組織した、オルケストル・レヴォリュショネル・エ・ロマンティクによる演奏
*商品購入は写真(またはタイトル)をクリックして下さい。購入に関してはこちら
*この曲のCDはクラシック・ライブラリーでも 紹介しています。



ヘクトル・ベルリオーズ(1803〜1869)

ベルリオーズはフランス南部のグルノーブル近くに生まれた、フランス人作曲家です。
医師の子として生まれ、医学の勉強をしていましたたが、父の反対を押し切ってパリ音楽院に入学しました。
ベルリオーズは「標題音楽」という新しいジャンルを生み出したロマン派音楽の革新者として「近代管弦楽の父」と呼ばれています。











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